趣味を中心にした住まい第二弾が登場
自分で家を建てるならまだしも、賃貸住宅で趣味を中心にした住まい探しなんてとても無理というのが世の中一般の常識でしょう。
でも、そんな常識を完璧に忘れさせてくれるのが千葉県柏市に誕生した新築賃貸住宅「a*(エースター)」。
オーナーである有限会社奥宮園の奥山羊太さんは2020年に同じ千葉県柏市に9戸全戸がそれぞれに異なるコンセプトを持った趣味中心のこだわり賃貸住宅「ガルガンチュア」を建て、世の趣味人、常識にとらわれていた不動産関係者をあっと言わせた人。
ピアノ演奏可能な防音室、4mもの高さのボルダリングウォール、陶芸ができる土間・専用庭に立水栓、プロゴルファーが一目見て惚れ込んだゴルフシミュレーターなど各室に設置された設備はいずれも本格的。プロが納得するレベルが追求されていました。
その第二弾となるのが、今回見学してきた「a*」です。これは第一弾の「ガルガンチュア」同様にブラックホールの名まえ。銀河系の中心にある巨大ブラックホール「イテ座 A*」から名づけられたそうです。ブラックホールは光ですら吸い込んでしまうほどの吸引力をもつ存在ですが、そのように人の心を強く惹きつける物件にしたいという奥山さんの願いが込められているわけです。
005号室「愛車を部屋の中央にディスプレイできる部屋」
そして、実際、「a*」にはここにしかないだろう、奥山さん以外には作ろうとはしないだろうという部屋があります。全体で5部屋あるうち、筆頭に挙げたいのは005号室。
この部屋の1階には12~13畳分ほどのガレージがあるのですが、広さはあるものの、それだけなら普通でしょう。ところがここにはカーリフトが設置してあり、愛車を載せると車が上昇。2階にあるリビングの中央、窓の向こうに登場する仕組みになっています。我が家のど真ん中に車を飾って楽しめる部屋なのです。
当然、窓は車全体が見える高さになっており、タイヤもばっちり見えます。
「ひとつ、残念だったのは一枚ガラスで車全体が見えるようにできなかったこと。建物の構造的に不可能だったのです。でも、窓のサイズは床の高さまで下げ、愛車のホイールやキャリパーまで眺めていられるようにしてもらいました」と奥山さん。
キャリパー?
私にとっては初めて聞く単語ですが、これはブレーキパッドの動きを制御する部品のことで、ホイールの隙間から確認することができるのだとか。ホントに好きな人はそんな車の細部までも愛でたいものなのだとか。そんな気持ちに応えられるよう、カーリフトはアメリカから取り寄せた品。
「よく自動車修理工場などで見かけるリフトは車を持ち上げてその下で作業をするものなので、作業に必要な1.8mほどまでしか上昇しません。それでは室内で車を鑑賞できないので、今回は3.6mまで上昇させられるアメリカ製の4柱リフト BendPak HD-7PXWを導入しました。アメリカから取り寄せたのですが、船便で2カ月ほどかかりました」。
005号室の2階はディスプレイされた車を眺められるように居室がリビング、書斎的なスペースとでL字型になっており、横から、おしり側からと車を満喫できる仕組み。起きている間はいつでも車と一緒という生活が実現できます。
「a*」では各戸に2台分の屋外平置きの駐車場(001号室のみ1台)が用意されているのですが、この住戸についてはそれとは別に車の入れ替えのための転回スペースとして住戸前に十分なスペースが用意されています。
平置きで複数台の大型車が置ける賃貸住宅自体が希少と聞きますが、加えて愛車をディスプレイできる部屋とあれば、全日本個性的な賃貸住宅選手権大会があったら上位入賞は間違いないでしょう。
002号室「我が家に映画館、ライブハウス」
続いては個人的に強く惹かれた002号室をご紹介しましょう。
この住戸には施工した積水の注文住宅の防音室のうちでも一番グレードの高い仕様で作られた12畳のシアタールームがあり、終日80㏈までの音を出しても良いことになっています。朝9時~21時までは90㏈も可能です。
80㏈がどのくらいの音かといえば走行中の電車内、すぐ近くで聞く救急車のサイレン、パチンコ店内くらいだそうで、0.3m以内で大きな声を出さないと会話がなりたたないくらいとも。
それが90㏈になるとカラオケ店店内中央、すぐ目の前で吠えたてる犬の鳴き声くらいの音とされ、会話はほとんど不可能。普通の集合住宅であれば、まず出せないほどの音量というわけです。
ところが、この住戸の場合にはシアタールームの2枚の重い鉄扉を締めてしまうと同じ住戸内にいてもほぼ聞こえない状態です。壁に耳を付けるなどすれば多少は聞こえるかもしれませんが、そんなことは普通はしません。
驚きはその防音性能の高さだけではありません。置かれている設備がとにかくこだわりまくりの逸品揃い。「a*」の物件ホームページで002号室のシアタールーム内設備を見ると以下の通り、細かく記載されているのですが、私には何が書かれているのかすら理解不能。音楽、映像好きな人なら、おお、あれか!と思われるのではないでしょうか。
【シアタールーム内設備】
・4KネイティブHDRプロジェクター SONY VPL-XW5000
・HDR適合スクリーン OS+e PX-100H-HF102
・アンプ DENON AVR-X1700H
・センタースピーカー Klipsh R-52C
・コーナースピーカー Klipsh R-610F
・サブウーファー Klipsh R-100SW
・天井スピーカー SONY SS-CS5
・ブルーレイプレイヤー SONY UBP-X700
でも、わからないと書いてしまうと記事にならないので、奥山さんに少しだけ、こだわりを伺いました。
「スクリーンは100インチで特殊塗料を塗布した張り込み式を選びました。12畳という部屋の広さからすると120インチを置いても良かったのですが、あまり大きすぎても快適な視聴体験ができないので100インチに。
このスクリーンは触ると塗料が落ちてしまうため、入居細則ではペットや乳幼児など言葉が通じず、不測の動きをするものについては入室をお控えいただくことと定めています。触れて使えなくなってしまった場合には再設置に50万円ほどかかるためです」。
スクリーンの金額の話が出ましたが、それ以外ではプロジェクタ-が約100万円などとなっており、すべてを積み上げていくと一体、いくらになるのやら。入居すればそれが全部使い放題です。スクリーンにだけ手を触れなければ映画も音楽も大音量で楽しめるわけで、映画館に行かなくなってしまいそうです。
004号室「国内2例目、プロ仕様のゴルフシミュレーター付き住戸」
「ガルガンチュア」にあったコンセプトをよりパワーアップした住戸もあります。ひとつはゴルフシミュレーターのある004号室です。
1階に15.7畳(!)のゴルフシミュレーターが入ったゴルフ室があるのですが、パワーアップしたのは2点。
ひとつは音が聞こえないように防音室仕様にしたこと。
「普通の人が打っている分には外に聞こえるほどの音にはなりません。ところが、国内1例目の『ガルガンチュア』のゴルフシミュレーター付きの住戸に入居されているのはプロゴルファー。そうした方が打つと球音はお腹に響くような太い音になり、夜中など周囲が静かな時間には他の部屋に聞こえてしまうことも。そこでこの住戸ではシアタールームほどではないものの、防音仕様にしてあります」。
もう1点は天井を高くしたこと。
「『ガルガンチュア』の天井高は2,800mmなのですが、一度、大型な方がドライバーを振った時にドライバーが天井をかすったことがあるそうで、そうしたことを防げるよう、今回は3,000mmにしました」。
そのために地面を掘り下げています。ゴルフ室はドアを開けて階段を下りたところがゴルフレンジという作りになっていますが、その分を掘り下げたわけです。「ガルガンチュア」からの変化はほんの少しのように見えますが、聞いてみると全然少しではない工事でした。
003号室「高さ5.3m、吹き抜けにそそりたつ書棚のある部屋」
部屋の中央に高さ5.3mもの作り付けの書棚が用意されている003号室も「ガルガンチュア」の大容量書棚を進化させたもの。
「ガルガンチュア」では1階に天井に達する書棚が用意されていましたが、「a*」では中央の吹き抜けに2階までの高さの書棚。確実にパワーアップされています。
書棚の脇にある階段はシースルーとなっており、書棚を見せる作り。幅のある書棚なので写真集や画集のような大型書籍を置くと絵になりそうです。ところどころに彫刻や陶芸などを飾っても良さそうで、住む人のセンスが試される部屋でもあります。
奥山さんとしては作家、漫画家などモノを書く人に向いた部屋ではないかと考えているのだそう。その理由としては書棚があるだけではなく、執筆などに向いたスペースが作られていることから。
「2階のホールは作業スペースとして使えるように中央に大きなカウンターを設えてあります。本棚を眺めて、あるいは窓の外を眺めて執筆活動できるようにという考えです。また、1階は本棚の脇に少し低くなったピットリビングという奥まった雰囲気の場所を設けており、ここをアシスタントさんたちの作業スペースにしても良いかもしれません」。
もちろん、本棚を見上げてのんびりするスペースとしても良さそう。低めのソファを用意すると隠れ家的な空間になるはずです。
ちなみにこの書棚、すべて職人さんが手作りしたもので、価格は500万円にやや足りないくらい。ゴルフシミュレーターとほぼ同じくらいだったそうです
001号室「マイバッハが2台置ける広さのガレージ付き住戸」
残りの001号室はこれら4部屋に比べると普通に思えます。というのは1階に45.89㎡のガレージがあるだけだから。
といってもシャッター幅は6m、奥行き芯々で6.5m、幅も同様に7mあるので、一般的なガレージハウスに比べるとかなり、かなり広め。
奥山さん自作の物件資料の売り文句は「マイバッハが2台置ける広さのガレージ」。
メルセデス・ベンツの最上級車であるマイバッハ(全長5470mmで通常のSクラスよりも290㎜長い。全幅は1920㎜)をゆったり2台置けるというもの。
他の住戸では前述したように屋外の平置き駐車場2台分が賃料に含まれていますが、001号室は屋内に2台分用意されているため、屋外は1台だけ。それでも合計で3台分置けるので、夫婦でそれぞれに違う車に乗っていても十分です。大型車をコレクションしている人でも全部は置けないまでもお気に入り3台までは身近に置けます。
取材にお邪魔した時には入口のシャッターの高さを2.1mから2.4mにする工事が行われていましたので、車高のある車でも問題ありません。
住宅としての基本性能にも注目
さて、ここまで「a*」のコンセプト部分について書いてきましたが、実はそれ以外の、住宅の基本性能としても省エネ性能で最高等級を取得、ゼロエネルギーハウスとなっていたり、防犯合わせペアガラスを採用、隣地にあるフットサルコートに配慮して音が聞こえないよう二重サッシを使ってもいるなど高品質。
屋上には各戸専用のソーラーパネルが設置されており、余剰売電量は入居者に還元されるとのこと。
各戸専用のEVコンセントも用意されています。
広さはどの住戸も100㎡超あり、間取りは1SLDKから2SLDKまで。
各室を細かく仕切るのではなく、どんと広い空間を自分の好きに使って欲しいという考えからです。
脱衣室には専用ガス乾燥機が設置されていますが、これは奥山さんが自分で使っていて良かったからという理由。
その言葉を聞いて思ったのは、この物件の魅力は奥山さんその人によるものが大きいのではないかということ。
趣味の楽しさを知る人だから、住む人にもその楽しさを味わって欲しいと本気の設備を導入、暮らしを楽しめるように配慮しているのだろうなと。
であれば、住む人にはこうした設備を徹底的に楽しみたい、遊び尽くしたいという人に入っていただきたいもの。
車好き、映画好き、音楽好き、ゴルフ好き、本好きな方ならぜひ、現地を見学、あきれるほどの本気ぶり(褒めています)を実感していただきたいものです。
立地ですが、東武アーバンパークライン「豊四季」駅から歩いて12分ほど。
「豊四季」駅はつくばエクスプレスも利用できる「流山おおたかの森」駅と常磐線などが利用できる「柏」駅の間にあり、「豊四季」駅自体はさほど繁華ではないものの、おおかたのものは周辺で揃います。隣接する「ガルガンチュア」住民の方々はタクシーや車で移動することが多いそうです。
賃料は部屋によって多少異なり、22万円から28万円の範囲(共益費は全室共通で13,000円)。小型犬、猫は2匹までなら相談可能(001、 005 のみは大型犬も相談可)で、その場合には賃料が1万円あるいは2万円プラスになります。
住まいに何を求めるかはひとそれぞれですが、趣味という選択はこれまでなかったように思います。それができる時代になった。「a*」を見るとそんな変化を感じます。
趣味三昧に生きたい人ならここは面白い選択、楽しい暮らしの場になりそう。とりあえずは一度、どれだけ突き抜けているか、見学に行ってみてください。奥山さんと話をするだけで楽しいはずです。
物件情報
- 物件コード:ワク賃058
- 住 所:千葉県柏市豊四季
- 構 造:軽量鉄骨造2階建
- 築 年 月:2023年12月
- 専有面積・間取り:001号室=118.74㎡・1LDK+ガレージ / 002号室=102.17㎡・2SLDK / 003号室=101.64㎡・2LDK / 004号室=107.67㎡・2SLDK / 005号室=105.92㎡・1SLDK
- 共用部分設備:防犯カメラ / ダストボックス / 駐車場(屋外駐車場2台付き[001号室のみ1台]) / 駐輪場
- 専有部設備:システムキッチン / バス・トイレ別 / バスルーム(追焚き機能・換気乾燥機能付き) / シャワートイレ(1・2F) / 独立洗面台 / 室内洗濯機置場 / 全居室エアコン / TVモニタホン / 防犯合わせペアガラス / インターネット・Wi-Fi無料(フレッツ光1Gbps/戸)
募集条件
- 賃料:22万円台~28万円台(お部屋により異なります)
ネコ飼育の場合プラス1~2万円(お部屋により異なります) - 共益費:13,000円
- 町会費:350円
- 敷金:1ヵ月
- 礼金:1ヵ月
- 契約期間:2年
- 短期解約違約金(2年未満):1ヵ月
- 更新料:新賃料の1ヵ月分
- 家財保険:加入必須
- 保証会社:利用必須
- 鍵交換代:16,500円
- 解約予告:1ヵ月前
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文:中川寛子