目下、ダイエット中である。
会う人ごとに「太りましたか?」「貫禄がつきましたね」と言われるのには慣れていたが、2カ月前に会ったばかりの人にもそう言われ、これはさすがにヤバイと思った。
しかしダイエットはとても難しい。
新陳代謝が衰えてきたせいか、食べる量を減らしても痩せない(以前はけっこう大食いだったのだが、今は人並みの量になった)。
どれだけ運動しても痩せない(週に1度もジムに通っているのに・・・)。
水替わりに飲んでいたビールをやめても痩せない(ノンアルコールに代えたが、酔わないので飲む量は倍増した)。
タバコもやめても痩せない(食事がいっそうおいしくなった)。
このように日々さまざまな努力を重ねているのだが、体重は減らないどころか少しずつ増え続けているから人体は不思議だ(「増えて当たり前!」とは言わないで)。
ああ、もっと良いダイエット方法(楽して痩せる方法)はないものだろうか?
できれば楽しい方法がいいぞ(怠け者でも続けられる方法)。
そういうテーマでネット検索していたら、「トランポリン・ダイエット」なるものを発見した。
直径120cm、高さ20cmほどの円形トランポリンの上でピョンピョン跳んでるだけで痩せるとある。
5分跳ぶと1kmジョギングしたのと同じ運動量になるのだそうだ。
これならテレビを観ながらできるから、わざわざ運動のための時間をつくる必要もない。
音楽に合わせてピョンピョン跳ぶのも楽しそうだ。
だけど狭い我が家で、円形トランポリンを出しっぱなしにしておくと、きっと家人に叱られる。
かと言って、出したりしまったりするのは面倒だ。
怠け者の自分は、それがイヤでしまったきりになるのが目に見えている。
いっそ床の一部がトランポリンになっていたら楽なのに・・・。
と、ここまで考えて、「これは悪くないぞ!」と思い始めた。
床の一部がトランポリンになっている賃貸住宅! 面白そうじゃないか。
たとえばリビングの片隅の観葉植物を置いてあるあたりの床がトランポリンだったら、家人にもそう迷惑はかけないだろう(観葉植物の効用はこの際どっかに置いておく)。
募集図面の設備表で「床:フローリング 一部トランポリン」なんて書いてあったら、何だか笑える。
小さな子どもがいる家なら、2~3畳ぐらいのスペースをトランポリンにして、
「この上だったら、ドンドン音立ててもいいよ」
と言ったら、喜んではしゃぎまわるだろう。
もう頭の中はトランポリン一色になってしまって、その上で脳みそがピョンピョン跳びはねている。
床をトランポリンにしてしまっても建築基準法上問題ないか?とか、かえって階下に響くんじゃないか?とか、跳びすぎて天井に頭をぶつけたり、壁に激突したりしてしまわないか?とか、そういう不安もピョンピョン跳んでいってしまった。
難しい課題は「ワクワク賃貸®研究所」の森下所長に任せ、自分は楽しい妄想にふけり続けていよう。
ピョンピョン。
文責:久保田大介
イラスト:コミック堂