《 DIY賃貸推進プロジェクト 》Vol.023

DIYでロボット掃除機が使いやすくなる部屋にしよう! 《床に物を置かない&ひと筆書きで掃除できる部屋を作る編》

投稿日:2021年7月29日 更新日:

簡単きれい! お掃除しやすい快適生活を実現

DIY可能な賃貸住宅(=DIY賃貸)を増やしていきたいと願い、さまざまな活動をしていますが、私自身もDIYファンのひとりです。
私が行うDIYの大きなテーマには「日々の家事を楽にする」というものがあります。人が快適に生活していく上では、やらなければならない家事というものが存在しますが、掃除はその一つです。でも、忙しい暮らしの中で毎日掃除をするのはとても大変! そんなときの頼もしい助っ人がロボット掃除機で、愛用している人が多くなっています。
そこで今回は、ロボット掃除機が使いやすくなるDIYを考えたいと思います。

ロボット掃除機のネックは「床の片付け」にあった!

パナソニック株式会社が2020年1月に行った「床の片付けに関する調査」によると、床掃除のときに、「床の上のモノを片付けるのが面倒に感じる」人は全体の約8割、「ロボット掃除機を使用する際の床の片付けにストレスを感る」人は約7割という結果でした。

「床の片付けに関する調査」2020年1月パナソニック調べ

「具体的にどの程度のストレスを感じるか」という質問には、「満員電車の通勤くらい」「飲食店の行列に並んでいるときくらい」「長時間の飲み会くらい」などの回答があり、床の片付けに感じるストレスが並々ならぬことが伝わってきます。
また、同じくパナソニック株式会社が2021年2月に行った「在宅ワーク時の床掃除」に関する調査では、「在宅ワークが増えたことで、自宅の床が汚れやすくなったと感じる」人が約9割となり、特に「髪の毛やペットの毛」「床の四隅に溜まったほこりやゴミ」「壁際に溜まったほこりやゴミ」などが気になりやすいという結果となりました。新型コロナウイルスは、床の汚れ問題の拡大にも深刻な影響を及ぼしていたのです。

床に置いてあるものをDIYで「宙に浮かす」

我が家も共働きなので、家事の手間を減らす工夫を常に考えていますが、そこで大いに役立つのがDIYです。「ロボット掃除機を使う際に床の上のモノを片付けるのが面倒」という問題を解決するために、「床に置いてあるものを宙に浮かす」DIYを家中で行っています。
たとえば脱衣所のバスタオル掛けを設置したDIYでは、掃除のときに邪魔だった床置きタイプのバスタオル掛けをDIYで壁に設置しました。

バスタオル掛けの設置のDIY、ビフォー・アフター。床の掃除が断然楽に。

また、お風呂上がりに使うバスマットの洗濯の手間を減らすために珪藻土のバスマットを愛用しているのですが、バスマットスタンドも床置きなので掃除の邪魔でした。そこで、マグネットで壁面につく珪藻土バスマットスタンドを使用することにしたのです。

使用後の珪藻土マットを立てて乾かすのにバスマットスタンドは必須。 床置きしない形状は貴重。

くっつけているのは洗面台なのですが、当然マグネットは付きません。種明かしをすると、単に粘着式のマグネットシートを洗面台に貼り付けているだけなのです。マグネットシートはネットショップでもいろいろ売られていますが、洗面台を傷めないように貼ってはがせるタイプのものを買いました。

案外しっかりついています。

モノを宙に浮かす派の人におすすめなのが、山崎実業株式会社さんの「TOWER(タワー)」シリーズのマグネット雑貨たち。大正初期から続いているインテリア雑貨の専門メーカーさんによって丁寧に作られた商品には、暮らしへの愛が詰まっています。

ロボット掃除機目線で見た、洗面脱衣所。床掃除がしやすそうでしょう??

洗面所にほしいゴミ箱、床に落ちた髪の毛をさっと掃除するための箒も、フックに掛けて宙に浮かしています。

フックに引っ掛けられる形のゴミ箱を頑張って探しました。 ゴミ箱のフックは山崎実業さんの戸棚下ハンガープレート。2個組なので、もう一つはノートPCのバッテリーを吊り下げるのに使っています。

トイレの床に置いてあるものも、徹底的に「宙に浮かす」

トイレの床も、トイレブラシなどが置いてあったり電源コードが這っていたりと、狭い割には掃除の手間がかかる場所です。そこで、トイレに置いてあるものもDIYで宙に浮かしてみました。
まずは、便器の横の床に置いていたトイレブラシやお掃除用具等が置ける棚を作りました。
棚板は欲しいサイズにカットし、木口をきれいに処理してから郵送してくれるネットショップがあってとても便利です。巾木や木枠の色に合わせて白にしました。
ブラケットも同じくネットショップで探して購入し、手持ちのビスで取り付け。ここの壁は石膏ボードでしたが、載せるものが軽いのでアンカーは付けませんでした。様子を見てアンカーが必要そうなら後から付けようと思っていますが、今のところ不要なようです。

お掃除ロボットが入り込める高さを意識して設置しました。

もう一つ我が家のトイレの床の上にあったのが電気コード。温水洗浄便座に加え、夏場は送風ファンの電気コードもあるので、床がごちゃごちゃしていました。
これは、両面テープで留められる3Mのコマンドフック・コード用を使いました。不要になったらきれいにはがせるので、塗装してある木巾木に貼り付けても安心です。

専用のコマンドフックでコードを壁に添わせたら、床がスッキリしました!

ひと筆書き掃除を邪魔するのは、閉まりがちな「扉」

ここまでやって、実際にロボット掃除機を動かしてみると、大きな問題が残っていることに気が付きました。ロボット掃除機がドアにぶつかってドアが閉まりかけてしまうのです。
お掃除ロボットは各部屋をひと筆書きするように動けるようにするのが理想的なので、このドア閉まり問題を解決する必要がありました。
我が家で問題になるドアは2箇所。洗面脱衣所と廊下を隔てるドアと、トイレの入口のドアです。洗面脱衣所のドアには、床にちゃんとマグネット式のドアストッパーが設置されているのですが、このマグネットの磁力が弱いことに加え、ドアを開けた裏側にあるタオル掛けに脱いだ洗濯物を入れる袋を吊るしているので、袋が膨らんでくるとドアストッパーが全く機能しない状態になっていました。

床にはマグネット式のドアストッパーがあるのですが、洗濯物の袋が邪魔でドアが閉まらない・・・

マグネット式のドアストッパーは、本体の扉側部品と受け側の床側部品に分かれていて、ドアに付いた本体が受け側に近づくと、受け側のフラップが立ち上がり、ストッパーが作動する仕組みになっています。

ドアが近づくと・・・

フラップが浮き上がり・・・

カチッとストッパーが作動!本体のプラスチックカバーを下げると、更にロックが掛かります。

洗面脱衣所のドアは普段から開けっ放しのことが多いため、ドアストッパーの位置を少し動かしたとしても、洗濯物の袋が邪魔をしてストッパーが外れてしまうと思われました。磁力がもっと強いドアストッパーがあれば良いのにと、ネットショップでいろいろ探したところ、レビューでいい感じのものを見つけました。水上金属株式会社のメタルストッパーです。早速購入してみました。

風が通り抜ける場所などに設置するには、磁力が強いドアストッパーが良さそうです。 1,000円位で手に入ります。

さっそく現在設置してあるドアストッパーを外していきます。インターネットで調べると、このドアストッパーは大建工業株式会社の旧型の商品ではないかと思われました。ホームページで調べてみると、新型のものの施工・取扱説明書がダウンロードできるようになっていたので、取付方法を確認し、その逆の作業で取り外していきます。

マイナスドライバーを差し込んでベースカバーを外すと、ビス2本で床に留まっていました。

ドライバーでビスを外していきます。

外れました!フローリングには穴が2つ開いている状態です。

続いて、ドア側に取り付けてある部品を外していきます。

こちらはプラスチックカバーの左右に爪があり本体に引っ掛けてあるので、両方をうまく外すのに苦労しました。

2本のビスを外していきます。ドアにはビス穴が2つ開いている状態です。

新たに取り付ける、水上金属株式会社のメタルストッパーの取扱説明書には、床上13mmから19mmの位置に本体を取り付けると書いてありました。ドアストッパーは15mmなので、ドア下部に合わせて設置すれば良さそうです。

磁力を最大限に強くしたかったので、床取付部品のマグネットを付けた状態で床にピッタリになるような高さに位置決めしました。キリで下穴の印を付けます。

グリグリと下穴を開け、ビスで留めていきます。

床取付部品も設置していきます。再びマグネットをしっかりくっつけ、洗濯物の袋の厚みも意識しながらピッタリの位置に設置しました。

前のドアストッパーを取り外した時のフローリングの穴が隠れるような位置に、うまく取り付けすることができました。

マグネットも前のものより強く、カチッとストッパーが作動。いい感じです!

さて、次はトイレのドアのDIYにかかります。洗面脱衣所のドアの悩みは既存のドアストッパーが機能しないということでしたが、トイレのドアの悩みはドアストッパー自体がないことでした。

実は、トイレのドアには既に別のDIYを施していました。ドアの上の戸当たり金具が長すぎるため、ドアが目一杯開かないので、短い戸当たり金具を買って交換したのです。

長いほうが交換前のもの、短いほうが交換したもの。

戸当り金具交換のビフォー&アフター。 ほんの小さなことですが、毎日使うので少しでも使いやすくしたいです。

目一杯ドアが開けば、人間だけでなくロボット掃除機も入りやすいはず。しかし、誤算がありました。ロボット掃除機の力が意外に強く、ドアに当たると閉まりかけてしまい、なかなかトイレの中に入ってくれないのです。

今までの日本人の暮らしでは、トイレのドアを開けっぱなしにして固定する必要性はなかったと思われるので、トイレのドアにドアストッパーが設置されているのはあまり見たことがありません。しかし、ロボット掃除機大活躍時代の住まいには、トイレのドアにもドアストッパーが必要なはず! 私は迷わず、先ほど洗面脱衣所のドアから外したドアストッパーをトイレのドアに移植することにしました。

トイレに使うマグネット式のドアストッパーは、ドアをしっかり固定できる、ロック機能があるものを選ぶといいと思います。ロボット掃除機がぶつかったとき、ロックされていないとドアストッパーが外れてしまうからです。今回洗面脱衣所から外したドアストッパーは、プラスチックのカバーを下げるとカチッとロックされる仕組みでした。

この状態でプラスチックカバーを下げるとロックされます。

さあ、準備は万端です!

いざ、ロボット掃除機出陣!

ロボット掃除機にはいろいろな種類がありますが、うちはアイロボット製「ブラーバ」を愛用しています。
動きやすいようにDIYしたから、思う存分お掃除してちょうだいね~。
気になって観察していると、さっそく寝室から洗面脱衣所に入り、珪藻土マットスタンドの下をお掃除してくれていました。

バスタオル掛けの下も、しっかりお掃除してくれています。

新しいドアストッパーで固定されたドアは、ブラーバがぶつかってもビクともしません。

ドアを抜けて、廊下へ。

廊下をひとしきり掃除してくれた後、いよいよトイレに向かって…入っていった!!

トイレブラシなどが置いてあった場所をお掃除。ここは埃がたまりがちなのに、置いてあるものも邪魔で、狭くて掃除が大変だった場所です。

電気コードがうねうねしていた場所も、スッキリしたので邪魔にならずに走る走る♪

新しく取り付けた棚の下にも、ちゃんと入り込んでお掃除。

いっぱい働いてくれて、無事に生還!!ブラーバちゃん、ご苦労さまでした!!

よく頑張りました~

今回の記事では参照しませんでしたが、キッチンにマグネットボードを貼ったDIYも、床に置いていたラックを撤去して食材ストックを宙に浮かして収納することができました。このDIY のおかげで、我が家ではロボット掃除機がキッチンでも活躍しています。

住まいをきれいに保ちたいというのはみんなの願いであり、持ち家でも賃貸でも変わりません。今やロボット掃除機は多くの人が使っているものですから、ロボット掃除機を使いやすくするためのDIYは、賃貸住宅の管理会社や大家さんの許可が取りやすいと思います。
タオル掛けの記事の後ろに付けた申請書が流用できると思うので、ぜひ参考にしてみてください。

文:伊部尚子

【記事中に参照したパナソニック株式会社のアンケート調査】

“床の片付け”に関する調査
・調査期間:2020年1月15日~20日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:20~40代 10歳以下の子どもを持つ共働きのパパ・ママ
(日常的に自宅の掃除をおこなっている方)500名
※性別およびロボット掃除機のユーザー/ノンユーザーで均等割付

「在宅ワーク時の床掃除」に関する調査
・調査期間:2021年2月22日~24日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:20~40代既婚 新型コロナウイルス感染拡大後
(2020年1月以降)に在宅ワークが増えた会社員男女500名
※現在、週に平均3日以上在宅ワークをしている方 ※ロボット掃除機ユーザーの方(パナソニック製品を除く)

  • この記事を書いた人

伊部 尚子

独立系の賃貸管理会社ハウスメイトマネジメントに勤務。仲介・管理の現場で働くこと20年超のキャリアで、賃貸住宅に住まう皆さんのお悩みを解決し、快適な暮らしをお手伝い。金融機関・業界団体・大家さんの会等での講演多数。大家さん・入居者さん・不動産会社の3方良しを目指して今日も現場で働いています。好きな工具はBOSCHのコードレス電動ドライバー。DIYアドバイザー、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、CFP®

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