河野 晴子(こうの・はるこ)

キュレーターを経て、現在は美術を専門とする翻訳家、ライター。国内外の美術書や展覧会カタログの翻訳と編集に携わる。2019年より「世界のワクワク住宅」の執筆を担当。このコラムでは、久保田編集長とともに、宝探しのように世界中の驚くようなデザインやアイディアに満ちた建築を探り、読者のみなさまに紹介したいと思っている。

世界のワクワク住宅

3Dプリンティングの建築技術が切り拓く砂漠の街の未来<エル・コスミコ>〜マーファ、テキサス州(アメリカ)〜

マーファという街をご存知だろうか。 アメリカ・テキサス州西部の大部分を占めるチワワ砂漠に囲まれた、人口2000人ほどの街。主要都市エルパソから荒野を車で3時間走り抜けて、ようやく辿り着ける陸の孤島だ。 ...

世界のワクワク住宅

海を泳ぐマンタを竹で表現したリゾート型ツリーハウス<プラヤ・ビバ>〜シワタネホ(メキシコ)〜

南太平洋を見渡すメキシコの海岸。白浜のビーチに沿って6棟の不思議な形状のツリーハウスが点在する。大きな、平たい「V」の字のように左右対称に伸びる屋根は、悠然と海を泳ぐマンタの姿を模しているという。正式 ...

世界のワクワク住宅

都市の隙間に浮かぶ“雲の建築”<オーバースカイ・プロジェクト>〜フラムラボ(アメリカ/ノルウェー)〜

じりじりと照りつける日差しに体力と行動力を奪われたここ数ヶ月である。公園の遊具は触れないほど熱くなり、犬の散歩もままならない。秋の運動会を涼しい室内で行う学校が増えるというニュースを聞き、いよいよ季節 ...

入居者インタビュー

大切な動物と幸せに暮らせる賃貸住宅〜緑豊かな環境と動物の生活に寄り添う細やかな工夫〜

日常に幸せと彩りを与えてくれる大切なペット。言葉が通じないからこそ、その子が快適に暮らせているか、飼い主はさまざまに思いを巡らせるはずです。 東京メトロ東西線「神楽坂」駅と都営大江戸線「牛込柳町」駅の ...

世界のワクワク住宅

気分は囚人?中世の刑務所を改装したホテル<マルメゾン・オックスフォード>〜オックスフォード(イングランド)〜

日本の最果ての監獄と言われた網走刑務所では、ある受刑者が食事に出された味噌汁を鉄格子に少しずつ垂らし、その塩分で鉄を錆びさせて脱獄したという実話がある。 米ドラマ『プリズン・ブレイク』は、無実の罪で収 ...

世界のワクワク住宅

白銀の世界を彩る新時代の南極基地〜ハリー第6基地(南極大陸)

今回の「世界のワクワク住宅」の舞台は南極大陸。 厚い氷の層に覆われた陸地はオーストラリア大陸のおよそ2倍の面積。平均気温はマイナス50℃。1840年頃に人類に発見され、1911年にノルウェーの探検家ア ...

世界のワクワク住宅

月に住む夢を形に!月面住居のプロトタイプ<LUNARKとRosie>〜SAGAスペース・アーキテクツ(デンマーク)

「人は再び月に向かうだろう。今回はそこに旗を立てるためではなく、住むために。宇宙では居住空間がすべてだ。そこには自然も、移りゆく景色も、目新しいものもない。人と居住ポッド。それしかないのだ」 広大無辺 ...

世界のワクワク住宅

アメリカの原風景に佇む画家親子のスタジオ<N.C.ワイエスとアンドリュー・ワイエスのスタジオ>〜チャズフォード、ペンシルバニア州(アメリカ)

N.C.ワイエス(1882-1945年)と、その息子のアンドリュー・ワイエス(1917-2009年)は、親子二代でアメリカを代表する画家として知られる。ともにアメリカ東部のペンシルバニア州、チャズフォ ...

世界のワクワク住宅

芸術家ミロが夢見た創作と安息の場所<セルト・スタジオとソン・ボテール>〜マヨルカ島(スペイン)

スペインは中世の時代から数多くの優れた芸術家を輩出してきた国だ。そのうち近代の3大巨匠に挙げられるのが、ピカソ、ダリ、ミロ。珠玉の作品を生み出した芸術家の軌跡を後世に伝えるべく、スペイン各地にある彼ら ...

世界のワクワク住宅

『若草物語』誕生の家、作者オルコットが暮らした<オーチャード・ハウス>〜マサチューセッツ州(アメリカ)

「悩みが多いから、私は楽しい物語を書く」。 これは19世紀アメリカの作家、ルイザ・メイ・オルコット(1832-1888年)が遺した言葉。彼女が1868年に執筆した『若草物語』は近年新たに映画化されるな ...

世界のワクワク住宅

舐めたらしょっぱい?壁も天井も家具も塩でできたホテル<パラシオ・デ・サル>〜ウユニ塩原(ボリビア)

今回の「世界のワクワク住宅」の舞台は、南米ボリビアのアンデス山脈に囲まれた広大な塩の大地、ウユニ塩原。見渡す限り平坦な大地は溜まった雨水が雲や空をそのまま反転させたかのように映し出すため、「天空の鏡」 ...

世界のワクワク住宅

月をテーマにした壮大なリゾート開発計画<MOON>〜トロント/バンクーバー(カナダ)

月がきれいな夜には、私のインスタグラムやフェイスブックのフィードは友人たちが投稿した月の写真でいっぱいになる。中秋の名月を愛でたり、欠けた月の趣を十三夜に感じたり。それぞれの場所から同じ月を見上げ、不 ...

世界のワクワク住宅

愛と自由に満ちたムーミン谷の<ムーミンハウス>〜ナーンタリ(フィンランド)

「世界のワクワク住宅」のコラムでは、世界中にある一風変わった住宅やホテルなど、「人が暮らす空間」を自由に考えるためのヒントとなるようなさまざまな場所を紹介している。 久保田編集長いわく、「このコラムは ...

世界のワクワク住宅

情熱の青い家〜画家フリーダ・カーロが生きた<カサ・アズール>〜メキシコシティ、コヨアカン地区(メキシコ)〜

一本に繋がった眉、彩り鮮やかな花飾りをつけた三つ編みの髪型、そしてメキシコの民族衣装。インパクトのある風貌で知られるフリーダ・カーロ(1907-1954年)は、自身の病や障害、夫との波乱に満ちた関係、 ...

世界のワクワク住宅

遊牧民のテント式住居「ユルト」をDIYで自宅にする!<Do It Yurtself>〜オレゴン州(アメリカ)〜

山々を背に広がる大草原に丸いテントが点在している。その中では、民族衣装をまとった一家が円座して暖をとったり、食事をしたり。彼らは家畜の群れとともに寒暖差の激しい地域を移動し、このテント式の住居「ユルト ...

世界のワクワク住宅

カラフルなドームが彩る海沿いのコミュニティ<プレゼンス・イン・ホルムズ>〜ホルムズ島(イラン)〜

今月の「世界のワクワク住宅」の舞台は、ペルシャ湾とオマーン湾の間にあるホルムズ海峡。北はイラン、南はオマーンの飛び地に挟まれたこの小さな弓形の海峡は、中世の時代には海上貿易の要地であった。 現在は、世 ...

世界のワクワク住宅

開けゴマ!住宅に「秘密の扉」をあつらえる<クリエイティヴ・ホーム・エンジニアリング> インタビュー編 〜アリゾナ(アメリカ)〜

「世界のワクワク住宅」では、日本ではなかなか目にすることがない、クリエイティヴな視点から住宅を考える企業を取り上げている。 およそ3年前に私の前任の林はる芽さんが紹介したのは、アメリカ・アリゾナ州に拠 ...

世界のワクワク住宅

『赤毛のアン』の世界が息づく<グリーン・ゲイブルズ・ハウス>〜プリンス・エドワード島(カナダ)〜

「プリンスエドワード島は、世界じゅうでいちばんきれいなところだって、聞いてましたから、自分がそこに住んでるところをよく想像してましたけれど、まさかほんとうになるなんて、夢にも思わなかったわ。想像してい ...

世界のワクワク住宅

お姫様ベッドと公爵家の書斎・・・古城ホテルで中世へタイムトリップ!<アウフ・シェーンブルク>〜オーバーヴェセル(ドイツ)〜

洋の東西を問わず、歴史ある城を訪ねることは旅の醍醐味の一つ。その土地のかつての領主の拠点であった城にあるのは堅牢な城壁や、戦術を考えた建物の造り、富や権威を物語る調度品や装飾など。こうしたものに今も触 ...

世界のワクワク住宅

眼下にはイギリス海峡!白亜の崖に立つ灯台ホテル<ベル・トゥート>〜イーストボーン(イングランド)〜

海風に乗って円を描きながら悠々と飛び交うカモメたち。聞こえてくるのは彼らの甲高い鳴き声と、海岸に打ち寄せる波の音。風は強く、視界を遮るものは何もない。 ここはロンドンの南方、イギリス海峡を臨むビーチー ...

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