「ワクワク賃貸物件集」に掲載されている物件には「空き待ち」登録ができることをご存知でしょうか?
これは記事をご覧になって関心を抱いたものの、物件が満室状態で募集していなかったり、読者の方に今は引っ越しできない事情があったりですぐさま内見できない場合に、「空き待ち」希望を登録しておいていただき、空室が出たときにこちらからメールでお知らせするサービスです。
掲載されている物件のほか、類似のコンセプトを持つ物件が出たときもお知らせしています。
この「空き待ち」で、今月(2019年3月)嬉しい話がありましたので、今回はそれをご紹介するところから始めたいと思います。
Mさんが「ワクワク賃貸物件集」掲載物件に「空き待ち」登録をしてくださったのは、昨年(2018年)5月のことでした。
音楽スタジオ付きの賃貸マンション(ワク賃003)の記事をご覧になって「お問合せ」ページから登録してくださったのですが、秋に一度空室が出てお知らせしたときは返事がありませんでした。
ところが先月(2019年2月)下旬、再び空きが出たので、あらためてメールでご連絡したところ、すぐにMさんから反応がありました(問合せ先の永幸不動産に連絡が入りました)。
同時に編集部のほうへMさんがメールを送ってきてくださいました。
そのメールによりますと、Mさんは九州にお住まいで、「空き待ち」登録をした当時、高校3年生になる息子さん(Kさん)は大学受験勉強の真っ最中。
Kさんはドラムに本格的に取り組んでおられ、
「この子が東京の大学に進んだら、防音室のある部屋に住まわせてあげたい」
と考えたMさんはネットで物件検索を続けておられたそうです。
やがて「ワクワク賃貸®」の「音楽スタジオ付き物件」の記事にたどり着き、
「志望校に合格できたら、この音楽スタジオ付きの部屋に住まわせてあげる」
とKさんの前に“ニンジン”をぶら下げられたとのこと。
それから月日は流れ3月7日。
この日、Kさんは東京の志望大学に見事合格。
喜んでおられたMさんのもとに、ドンピシャのタイミングで編集部から空きが出たことを知らせるメールが届いたのです。
実はMさん、当ウェブマガジンで「空き待ち」登録をしていたことを忘れてしまっていたそうですが、
「こりゃもう、偶然というより神様からのプレゼントだ!」
と受け止められ、すぐさま永幸不動産へ連絡し、入居申込みをされました。
「空き待ち」登録いただいた物件を実際にご覧いただく際、管理会社や専任の仲介会社等だけが仲介できる物件はその会社に連絡します。
一方、他社でも仲介できる物件は「ワクワク賃貸」の編集メンバーでもある永幸不動産にお客様のご案内から契約までお世話をしていただいています。
音楽スタジオ付きの部屋は後者だったので、永幸不動産に対応してもらいました。
入居審査は順調に進み、先週金曜日(3月22日)、契約も無事済みました。
この間、Mさんと私は何度もメールの交換をさせていただきました。
そのメールには、Mさん一家と音楽の関わり、この物件を選んだ理由などもつづられていて、私はこのご家族と物件との強い縁を感じました。
息子のKさんが自分にとってベストのタイミングで空室になるのを待っておられたように、物件のほうもKさんが入居してくださるのを心待ちしていた・・・そんなふうに感じたのです。
お互いがお互いを引き寄せあった。
「空き待ち」登録制度を始めてよかったなあ・・・としみじみ思いました。
さて、私の本業は、強いコンセプトを持った賃貸物件をつくるお手伝いをすること(コンサルティングすること)と、「ワクワク賃貸®」を運営することです。
ワクワク賃貸®では、自分が関わった物件だけでなく、日本中にあるワクワク楽しい物件を紹介しています。
「入居者予備軍」の方々にこの楽しい物件の存在を知っていただきたい!
大家さんたちにはもっと楽しい物件をつくろうと張り切っていただきたい!
そんな想いを込めて記事を配信し続けています。
今回、Kさんが選んでくださった「音楽スタジオ付きの賃貸マンション」は、私が関与したものではなく、管理会社であるフェイスネットワークさんを取材して情報掲載させていただいた物件です。
恥をしのんで言いますが、この物件は「ワクワク賃貸物件集」に掲載されている中で一番アクセス数が多く、「空き待ち」登録も最多です。
ワクワク賃貸®自体がまだマイナーなので、すべての掲載物件に「空き待ち」登録があるわけではないのですが、現時点で「空き待ち」登録のある物件は、本当に強いリーシング力を備えていると断言できます。
「空き待ち」登録の有無や数は、物件力のひとつの指標になっていると実感しています。
空いていないのに「空くまで待ちたい!」と思わせる力、ましてやKさんのように受験勉強のモチベーションとしていただけるほどの力・・・それは「普通」の物件にはないものです。
ちょっと言い過ぎかもしれませんが、内装がお洒落だとかいう程度の物件などには、この力はないと思います。
魅力的な「街」にあるだけという物件にも、「空き待ち」登録はないでしょう。
部屋探しをする時期に、その街にある空室の中から選べばいいだけですからね。
日本中に「空き待ち」登録されるような、良質のワクワク賃貸物件が増えていったら嬉しいし、自分もそうした物件をどんどん世に送り出していこう!と強く思いました。
今回、改めて私にそう思わせてくださったMさん、Kさん親子には心からお礼を言いたいです。
Mさん、Kさん、大学合格、おめでとうございます。
Kさんの東京での新生活が素晴らしいものになりますように!
執筆:久保田大介
イラスト:コミック堂