Vol.018でスウェーデンのコレクティブハウス「スードラスタフーン」をご紹介した際に、リサイクルスペースがあることをお伝えしましたが、私の暮らしている「コレクティブハウス聖蹟」にも、エコリサイクルシステムがあるので、今回はそれをご紹介したいと思います。
私は断捨離する際、使わなくなったものを地域のリサイクルショップに寄付することが多いのですが、寄付をする前に「コレクティブハウス聖蹟」の居住者全員に必要かどうか聞くこともあります。
たとえば、以前使用していた電子レンジ(使用期間3ヵ月程度)を処分しようと思っていた時に、居住者の方と話をしていたら、その方は電子レンジの買い替えを検討していたようなので、実物を見ていただいてからお譲りしたことがありました。
最近のリサイクルや中古品の売買では、メルカリやジモティなどを利用する人も多いと思います。私も使うことがあるのですが、知らない人との金額のやり取りや発送の手間、到着後の心配など、気をつかうことがとても多いです。
その点、コレクティブハウスの居住者とのやり取りは、日常的な交流があるので話もスムーズにいきますし、なにより、一旦お試しで使ってみてダメなら返してもらう、ということがすぐにできるという利点があります。
家族全体で断捨離をする時や、引っ越しをする時に、フリーマーケット式に物を並べて引き取ってもらう方もいます。
土間やロフトのスペースに並べて、上の写真のように「ご自由にどうぞ」と張り出しお知らせをする場合が多く、本以外でも洋服や雑貨などを出す人もいます。
「スードラスタフーン」では、リサイクルスペースがきちんと確保されており、いつでも出したり受け取とったりできるようになっていましたが、私が暮らす「コレクティブハウス聖蹟」では常時リサイクルスペースを作っておくことはできない(やっていない)ため、一時的なイベントとして開催されているイメージです。
不要なものが出た時にコレクティブブハウス全体のメーリングリストにお譲り情報を流すこともあります。
私は自分がいらなくなった物を他の人がもし必要としてくれるなら、とてもエコなサイクルだなと思っています。もちろん、お譲りできる物全てが他の人に必要なものであるわけではないので、ハウス内で譲る先がなければ、地域のリサイクルショップに持って行きます。
また、「こんな物を探しているのですが、貸してくれませんか?」とハウス内で訊ねることもあります。
先日機内持ち込み用のスーツケースを買うかどうか悩んでいたのですが、ハウスの居住者に相談したところ、自分の持っているものを貸してくれるということで、購入しないで済みました。
スウェーデンに行った際も、特大のスーツケースを旅行好きなハウスの居住者さんに貸していただきました。
いつも使うものでない場合、買うかどうか悩むことが多いので、こういう時に身近に借りられる人がいること、声をかけやすい関係性が日常的にあることがとてもありがたいなと思います。
このほか、少し年齢が離れている子どもたちの洋服はハウス内でよく譲り合いがされていると聞いたので、次回は子どもの服やおもちゃなどのエコサイクルについて詳しくお伝えしたいと思います。
文:久保有美