菓子工房付き住居物件を菓子工房シェア物件に
昨年(2022年)10月、京王線「桜上水」駅徒歩2分の場所で新築したマンション(ワク賃047)の1室(102号室)を菓子工房付き住居としたこと、完成の数ヶ月前に入居申込みしてくださった方がすぐに契約され、クレープ屋さんを始めたことなどをVol.006の記事でご紹介しました。
クレープ屋さんはテラススペースを利用した窓口販売も好調で、ほかにも冷凍クレープの無人販売・ネット販売などもされ、事業は順調だったのですが、同時進行で事業を多角化していかれ、そのなかで大きな成長が見込まれる事業が出てきました。そして今後はその分野に重点を置くことにし、本年(2023年)10月中旬に退去されることになりました。
菓子工房を利用したビジネスの成功事例としてご紹介できそうだと楽しみにしていたので、企画者としてはかなり残念でしたが、入居者さんが事業を発展させ卒業していかれることは喜ばしいことでもあります。
ところで「ワク賃047」は201号室も菓子工房にし、おふたりの方にシェア利用していただく賃貸スタイルを編み出しており、Vol.015でシェアメイトの募集記事を配信したところ、5名の方が名乗りをあげてくださり、真っ先にご連絡くださった方と契約を結びました。
このとき残念ながら契約に至ることができなかった方たちに、「10月中旬に1階の菓子工房付き住居が空くことになったので、希望者がおられたらこちらも菓子工房シェア物件にしようと思います」と案内したところ、すぐさま1名の方が入居申込みをしてくださいました。
ほかの方たちは、条件が折り合わず辞退されたので、今回もう1名のシェアメイトを募集することにしました。
お菓子づくり教室、マルシェ、窓口販売もできる菓子工房シェア室
1階(102号室)の菓子工房シェア室は、次の3点をセールスポイントとして201号室の募集条件に付け加えることにいたしました。
以下、簡単にご案内します。
セールスポイントその1:お菓子づくり教室が開ける
上の間取図は今回対象となる102号室のものです。
LDKが保健所からの営業許可が取れる菓子工房となっていますが、Roomはお菓子づくりの道具や材料を保管できるストックヤードとするほか、お菓子づくり教室としてもご利用いただけることとしました。
先に入居申込みされた方はアイシングクッキーの製造販売をなさいますが、教室も月に数回の割合で開きたいと希望されたため、新たにシェアメイトになってくださる方にも「教室が開けること」をセールスポイントとして募集することにしました。
102号室の間取りですと、菓子工房(LDK部分)でシェアメイトのひとりがお菓子づくりをしていても、もうひとりはRoomで教室を開くことができます。Roomにもトイレがあるので、菓子工房に生徒さんが入る必要がないのも利点です。
セールスポイントその2:窓口販売ができる
写真はクレープ屋さんが窓口販売をしているときのものですが、LDKからテラスに出るサッシにカウンターを設置することで、窓口販売が可能となっています。
テラスにテーブルや椅子を並べて、つくりたてのお菓子をその場で食べていただくなんていうのも素敵ですね。
窓口販売をする場合、お客様対応するための労力がバカになりませんが、シェア利用する2人がそれぞれのお菓子を並べ、店番を交代ですれば、負担は半分にすることができます。
セールスポイントその3:マルシェが開催できる
このマンションは京王線「桜上水」駅から歩いて2分の立地にあります。
商店街にもほど近く、お客様を集めやすい場所ですので、テラスを利用してマルシェを開催することをオススメしたいと思います。
102号室のシェアメイト2人だけでなく、2階の菓子工房シェアの方たちにもお声がけして一緒に行ったら、かなり賑やかなマルシェになりそうですね。
菓子工房シェア物件を利用すれば、すぐに「自分の城」が持てる!
私は自前の菓子工房を持ちたいと考えておられる人たちと話をするたびに、「菓子工房シェアはいかがでしょう?」と提案しています。
中にはすぐに興味を持ってくださる方もいますが、特定の人とシェアするという方式について、「自由さが欠ける」、「調整が面倒くさそう」、「人とコミュニケーションを取るのがあまり得意ではありません」などと言われ、断られるケースのほうが多いです。
お菓子の製造販売を志す方の多くはシェアキッチンで「はじめの一歩」を踏み出されますが、注文が増えてきたり、ネット販売のメドが立ってきたりすると、「いつでも使うことができない」、「道具を毎回持ち込まなければいけない」などといった問題に直面し、自前の菓子工房を求め始められます。
しかし、その自前の菓子工房がなかなかつくれず、もやもや、いらいらした日々を過ごしておられる方がとても多いようです。
私はそんなもやもやした状況が続くのならば、オール・オア・ナッシング的な思考はいったん捨てて、菓子工房シェアという「実」を取ったらいいのでは?と考えています。
もちろんデメリットはゼロではありませんが、お菓子作りの「場」を設けることができず、日々を虚しく過ごしてしまうのであれば、デメリットよりメリットに着目し、とにかく前に進んでいくことのほうが大事なのではないかと思うのです。
菓子工房シェアでいったんスタートし、軌道に乗ったらひとりで使える工房を探したらいい。何より「24時間使える」、「道具や材料を置いておける」というメリットは捨てがたくないでしょうか?
今回ご紹介する物件は初期工事の費用を負担することなく、すぐに保健所から営業許可を取得し、ビジネスを始めることもできます。
「希望する立地ではない」という方もたくさんおられると思うけれど、菓子工房を借りて事業をスタートさせながら、希望の立地で探し続ければいいとも思うのです。逆に菓子工房の近くに住まいを移すという手もあります。
発想の転換をすることで、菓子製造販売のビジネスをスタートさせることができるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
「ワク賃047」102号室(菓子工房シェア)の募集条件
さて102号室を菓子工房シェア物件としてご利用いただく際の募集条件をご案内いたします。
【102号室菓子工房シェアの募集条件】
- 賃料:81,000円(税別)=89,100円(税込) ※おひとり分の賃料です。
- 共益費:8,000円(税別)=8,800円(税込) ※共益費は電気代・水道代・ガス代・インターネット利用料に充当します。
- 保証金:243,000円
- 礼金:81,000円(税別)=89,100円(税込)
- 契約形態:定期借家契約(初回:3ヵ月 2回目:9ヵ月 3回目以降:364日)
- 再契約料:初回再契約時は「なし」 2回目以降:新賃料の0.5ヵ月分(税別)
- 連帯保証人:要 ※保証会社利用なし
- 仲介手数料:81,000円(税別)=89,100円(税込)
- 火災保険:要加入
契約形態を定期借家契約にしているのは、シェアメイトが他人とのシェアに適さない方であった場合、利用をお断りしやすいようにするためです。ルールを守らない、シェアメイトに迷惑をかけても平気、というような方が一緒だとたまりませんので、優良なご利用者さんを守るために定期借家契約としています。
「共益費」は、シェアで利用される102号室の水道代・電気代・ガス代・インターネット利用料に充てられるので、ご自身で別途、光熱費等を負担いただく必要はありません。
「火災保険」はご自身で加入いただいても構いませんが、編集部で菓子工房シェアに適した保険商品をご提供する仕組みをつくりましたので、ご相談いただければと思います。
「保証金」は賃料の3ヵ月分をお預かりしていますが、将来退去される際の原状回復工事費用の負担は原則なしとしているので、賃料滞納などがなければ、ご退去のときに全額戻ってくる可能性が高いです。
その他、ご不明な点や気になる点がありましたら、編集部へ気軽にご相談ください。
内見&オンラインミーティングを受け付けています
記事をご覧になって、菓子工房シェアというスタイルや、この物件自体に興味を持ってくださったなら、「百聞は一見に如かず」と言いますので、まずは内見されることをオススメしたいと思います。
また、Zoomを利用したオンラインミーティングで、菓子工房シェアという賃借方法について詳しく説明することも可能です(2023年10月時点では無償対応しています)。
内見やオンラインミーティングを希望される場合は、「空き待ち登録」のページからご連絡ください。
菓子工房シェアは、自前の菓子工房を持つためのステップとして非常に有効な手段だということを、多くの方々にご理解いただけたらと願っています。
皆様からのご連絡をお待ちしています。
文:久保田大介