DIYに興味はあるけれど未経験、という方は意外に多い
私は賃貸住宅の管理会社に長年勤務しており、住まい手がDIYできる賃貸住宅も多数企画してきました。そこで私が出会ったお客様の中には、DIYに興味はあるもののやったことがなく、どんなふうに施工するのか知らないという方が結構いらっしゃいました。DIYできる賃貸が少ないから、やったことがある人も少ないということなのかもしれません。
そこで今回は、賃貸住宅で行われている実際のDIY現場に潜入して、施工の様子を見ていきたいと思います。
「大家さんのDIYがっこう」に潜入!
やって来たのは、練馬区春日町にあるファミリー物件、「ワク賃023」。何を隠そう、ここは日本初のDIYサポート付き賃貸マンションなのです。
101号室にスタジオを構えている「クラディ(旧・DIYER’S PARTY)」は、住まい手や大家さんにDIYのやり方を教えてくれたり、一緒に施工してくれる女性ばかりのプロ集団です。
今回は、クラディさんが「ワク賃023」で開講される、「大家さんのDIYがっこう」に潜入します。この講座は、賃貸経営に役立つDIYスキルとコスト感覚を養う実践講座です。講師は、クラディ代表の石井麻紀子さん。彼女はDIYアドバイザーの資格を持っていてテレビのDIY番組にも出演されている頼もしい存在です。
講座の会場となる「ワク賃023」には、このお部屋に入居される予定のカップルのほかに、DIYを学びたいという大家さんや不動産屋さんが大勢集まっています。
壁が変われば、お部屋の雰囲気はガラッと変わる
第1回のコラムで、DIYの基本は「塗る・貼る・付ける・飾る」だとお伝えしました。この施工は全て、壁で行うことが出来るDIYです。大きな面積を占める壁はお部屋の雰囲気を左右しますので、自分好みの空間に変えたい方は、まずは壁のDIYに挑戦してみるのが良いと思います。
「ワク賃023」では、各住戸にDIY可能壁が2面作られており、壁紙を貼ったりペンキを塗ったりできる仕様になっています。
この同じ部屋が、壁紙を変えることでどんなふうに変わるのか、実際のDIY事例写真を見てみましょう。
石目調の壁紙は、大人っぽく落ち着いた雰囲気に。
ダマスク模様の壁紙は、華やかな雰囲気に。
タイル調の壁紙は、可愛らしい雰囲気に。
同じお部屋でも、壁一面でこれだけ雰囲気が変わるということがおわかりいただけたでしょうか?
一面だけ施工するなら、お部屋に入った時に正面になる壁に壁紙を貼るのが効果的です。初心者は、窓やエアコンなどの障害物がない真四角な壁を選ぶと施工も簡単ですよ。
DIYで輸入壁紙貼りに挑戦!
輸入壁紙は、約90センチの幅がある国産壁紙と比べると半分くらいのサイズなので軽くて扱いやすく、女性でも簡単に貼ることができます。お値段は国産壁紙より少しお高めですが、色柄も種類豊富で、国産壁紙と違ってミミを切断する必要もないため、DIYに向いている素材なのです。
「ワク賃023」では空間デザイナー・坂田夏水さんのお店「Decor Interior Tokyo」でスタッフのアドバイスを受けながら好きな輸入壁紙を選んでいただけるようになっています。
どんなものがあるか関心がある方は是非一度お店に足を運んでみてください。
まずは、貼りたい部分の壁の高さと横幅を図ります。どのくらいの長さの壁紙を何枚貼る必要があるのかを確認するためです。そして、輸入壁紙を必要な長さ、枚数に切断していきます。
ここで大切なのがリピートの有無と、リピートの長さの確認です。同じ柄の繰り返しのことをリピートと言いますが、これは輸入壁紙をDIYで貼る場合に忘れてはならない用語なのです。
縦ストライプの壁紙などはリピートがありませんが、たとえば大きな花柄などの場合、壁紙の切れ目で花が半分に切れてしまったらおかしいですよね。壁紙のパターンは、30センチごと、60センチごとなどに繰り返されており(それがリピート)、並べて貼った時に柄がぴったり合うように調整して切る必要があるのです。
輸入壁紙は巻いて棒状にして売られており、1本は10メートル前後のことが多いです。
貼りたい壁に必要な本数は、選んだ輸入壁紙のリピートによって異なります。しっかり計算してから買わないと、いざ貼り始めたら「足りない!」ということにもなりかねませんので気をつけて下さい。
計算方法は、輸入壁紙を売っているお店のサイトに説明が書いてある場合もありますが、心配な方はお店の方に質問してから購入すると良いでしょう。
ちなみに「ワク賃023」の写真の壁は、輸入壁紙が3本必要でした。余った壁紙はトイレや洗面所などの狭いところに貼ったり、棚などの家具やトレーなどの小物に貼るなどしても楽しめます。
輸入壁紙の素材によって、糊のつけ方が違う
輸入壁紙がサイズに切れたら、いよいよ貼る工程へと進みます。
輸入壁紙を貼るためには、専用の糊を使います。貼って剥がせるタイプの糊もあれば、しっかり貼れる強力な糊もありますので、目的に応じて使い分けます。粉状の糊は、一度に溶かすとてんぷらの衣を作るときのようにダマになりますので、少しずつ水で溶いていきます。用意できるようであれば、ぬるま湯を使用するとやりやすいです。
そして、ここでもまた注意点があります。輸入壁紙には、フリース(不織布)製、紙製、ビニール製などがあり、素材によって、壁側に糊を塗る場合と、壁紙側に糊を塗る場合があるのです。今回選んだ輸入壁紙はフリース製なので、壁側に糊を塗っていきます。
ちなみに、初心者が貼りやすいのは断然フリース製です。糊を塗っても伸び縮みしにくく、壁紙と壁紙の間に隙間が開きにくいためです。実は私も失敗経験者で、実家の玄関ホールに紙製の輸入壁紙を貼ったところ、乾いたら隙間が開いてしまって下地が線状に見えてしまいました。白っぽい下地の壁に濃いグリーンの地色の輸入壁紙を貼ったため、隙間が目立つこと目立つこと。自分にとっては安くない壁紙だったのでちょっと焦りましたが、母が模様に合わせて隙間をカラーペンで塗りつぶしてくれたため、何とか目立たなくなりました。紙製の場合は縮む分を考慮して、ゆったりと引っ張らずに貼らないといけなかったようです。
壁に糊が塗れたら、輸入壁紙を一枚ずつ貼ります。まっすぐになるように気を付けて貼っていきます。1枚が長いので、上下に分かれて二人で協力して行うと貼りやすいです。
位置が決まったら、撫で刷毛で空気を抜きながら平らにならしていきます。この時にあまり横に引っ張ると、乾いたときに隙間が開く原因になりますので、ぎゅうぎゅう伸ばさないようにして下さい。
余った部分は竹べらで折り目を付けて、地ベラで押さえながらカッターで切断しますが、ここでもまた注意点があります。糊を含んだ壁紙は思った以上に弱くなっており、優しく扱わないと破れてしまうので気を付けて下さい。竹べらの先でブスッと穴が開いたり、切れないカッターで無理に切ろうとしてビリっと破れるトラブルは、初心者DIYに付き物です。特にカッターは糊が付着すると切れ味が鈍るため、刃折り器を用意してマメに折り、新しい刃で切るようにして下さい。
1枚目が貼れたら、また次の一枚分の糊を壁に塗り、貼っていきます。輸入壁紙は国産壁紙と違って端にミミが無いので、ぴったりくっつけて貼って行きます。リピートが合うように、模様に気を付けて貼り進めて下さい。
壁紙と壁紙の間は、ジョイントローラーを使ってしっかり押さえ、浮かないようにします。ぴったり貼れたら、地ベラとカッターを使って上下をカットしていきます。
ちなみに、輸入壁紙の上下を切る際にも注意点があります。それは、地ベラにカッターを当てる位置。天井側を切るときは地ベラの上に、床側を切るときは地ベラの下に刃を当てて切るのが正しい切り方。これを逆にすると、地ベラの厚み分短く切断されてしまい、上下に僅かな隙間が開いてしまいますので注意して下さい。
最後の1枚を貼るときには、輸入壁紙貼りの工程で一番の難関が待ち構えています!横幅の余った部分を全て縦に切る必要があるからです。
まずは余分な部分の輸入壁紙を折り曲げながら、竹べらでしっかり折り目を付けて行きます。
そして、まず上から切断しますが、横幅の余りと上の端の余りをうまく折りたたんで切らないといけないので大変です。折り紙のようにしっかり折り目を付けて、カッターの刃を新しくして挑みましょう。
最後の部分は、たたまれた2枚分の壁紙を一度に切ることになります。ずれないようにしっかり地ベラで押さえて切りましょう。
上端が切れたら余った縦の部分を切り、最後に下を切って完成!…と思ったら、壁全体を確認した際に、壁紙と壁紙の間の部分の糊が少なくて浮いている部部分があるのを発見しました。そこはそっと剥がして糊を追加で塗りました。それでも剥がれが気になる場合は、端をめくってジョイントコークを塗ってしっかり密着させる裏技もあります。ジョイントコークは壁紙の剥がれ防止や内装材の補修に使えるボンドのようなもので、いろんな色があり持っているとDIYの色々なシーンで使えて便利です。
さあ、こんどこそ本当に完成です!!受講生の皆さんお疲れさまでした!
DIY初心者でも挑戦しやすい輸入壁紙貼り。施工の工程と注意点がおわかりいただけましたでしょうか?少し高価ではありますが、輸入壁紙はインターネットでも売られているので、まめにサイトをチェックしてセール品を狙って買うのもアリだと思います。
ちなみに、壁紙貼りのための道具も、インターネットショップでセット売りしています。一回買えばずっと使えるので、DIYをやりたい方は是非手に入れて欲しいです。マイ道具が出来るとDIYは一層楽しくなりますよ。
興味が出た皆さんは是非、輸入壁紙貼りに挑戦してみて下さいね!
文:伊部尚子
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