やりたいDIYが漠然としているときは、アドバイスが欲しい
DIYが好きな人は、自分の住まいにも次々に手を入れたくなると思います。自分でやりたいDIYがはっきりわかっているときは良いのですが、どんな方法でDIYするか、材料は何を選んだら良いか迷っているとき、誰かプロの方に相談できたらいいなと思いませんか? そこで今回は、そんなときにピッタリな「Decor Interior Tokyoのオンライン来店」に挑戦したいと思います。
自分の部屋を見てもらいながら相談したいときにピッタリ
私の住まいはリビングと寝室が繋がっているので、大きな本棚を間仕切り代わりにしています。リビング側を表に向けているのですが、もともと間仕切り用の家具ではないため、寝室から見える裏側が、いかにも裏側…。これをDIYで何とかしたいとずっと思っていたのです。
裏側はマス目のようになっているので、四角い面の部分に輸入壁紙を貼って、マス目の木枠をペンキで塗ったら素敵だろうなと漠然と考えてはいたのですが、本棚の素材は家具によく使われているパーティクルボードで、化粧板を貼ってある表側と違い、裏側は木材のチップを加熱圧縮した木口がそのまま見えています。この部分が塗装できるのかわからなかったので、何となくずっと放置していました。
そんなときに、夏水組の坂田夏水さんが経営するインテリアショップ『Decor Interior Tokyo』がオンライン来店を始めたと聞き、良い機会なので挑戦してみようと思ったのです。
便利なオンライン来店の仕組み
まずは、お店のサイトでオンライン来店のやり方を予習しました。Zoom、LINEビデオ通話、Instagram DMビデオ通話が使えるようです。お店のサイトからさっそく来店予約を行いました。ラッキーなことに、ちょうど代表の坂田夏水さんがお店にいらっしゃる日でした!
さっそく夏水さんに自分がやりたいDIYを伝え、パソコンのカメラを近づけて本棚の裏側をアップで見せながら、どんなDIYが可能かを相談してみました。夏水さんによると、この木枠はペンキが塗れるとのこと。多少吸い込むので、しっかり二度塗りが必要そうです。
壁紙はどんな雰囲気のものが良いか全く考えていなかったのですが、夏水さんがいろいろ質問してくださり、私が好きそうなものを何種類か見せてくれました。画面越しでもよく見えます。
夏水さんのフェイスブックで、ゴッホが描いた絵画をモチーフにしたシリーズを見て素敵だなと思っていたので、画面越しに見てすっかり欲しくなってしまいました。寝室なので落ち着いた色合いのほうが良いと思い、きれいな黄色を選びました。
木枠のペンキの色は、本棚が白なので白系が良いだろうということになりました。夏水組オリジナルのペンキ、全30色の中には、グレー系の白とアイボリー系の白があるのですが、夏水さんに「壁紙が黄色系だから、アイボリー系が合うと思いますよ」とアドバイスをいただき、迷わずそれを選びました。
そのほかに、壁紙を貼る糊、養生のためのマスカー、ペンキを塗る刷毛も一緒に購入しました。
お会計はpaypayかlinepayが使えます。画面越しにQRコードを読み取り、支払い完了です。オンライン来店はかなり便利ですね。
早速DIY開始!!
翌日には自宅に荷物が届きました。このスピード感、思い立ったらすぐDIYできますね。
さっそくDIY開始です。まずはペンキ塗りの準備を行います。奥にもう一つ細い本棚があるのでそれを移動させて、購入したマスカーで養生を行います。どんなに慎重にやったとしても、ペンキは垂れるし跳ねるので、初心者のうちは過剰なくらいの養生をお勧めします。水性ペイントなので服に付いてもすぐ洗えば落ちますが、面倒なので汚れても良い服で挑みましょう。
ペンキ塗りの詳しい方法は、過去の記事も参考にしてくださいね。前編と後編に分かれています。
そして、実際に木枠部分を塗り始めてみると、パーティクルボードがむき出しになっている部分は細かい穴が空いていてペンキがなかなか入っていかず、何度も厚塗りが必要でした。
壁や家具にペンキを塗る際、上の方を塗るときは楽なのですが、下の方は床に膝をつかないと塗りにくいですよね。しかしここで問題になるのが膝の痛み。DIYあるあるだと思いますが、フローリングに膝をついて作業をしていると膝が結構痛く、しかも後から痣ができてしまうのです。
その問題を解消するために、私は膝あてを愛用しています。これは100円ショップの園芸コーナーで売っているので、同じ悩みがある方はぜひ試してみてください。
時間がかかりましたが、やっと二度塗りまで終了。途中ペンキがボタッと何度か落ちたので、養生をしっかりしておいて正解でした。養生の出番はこれで終わりなので、ペンキが乾かないうちに養生を剥がしていきます。乾いてから養生を剥がすと、養生にペンキがくっついて一緒に剥がれてしまうためです。剥がした養生に付いているペンキで周囲が汚れないように、ダンボールなどに巻き取りながら剥がしていくといいですよ。
今回買ったペンキはカシュミュールの850g缶。夏水さんが画面を通してペンキを塗ろうとしている場所を確認し、このサイズを勧めてくれたのですが、本当にこの量でぴったりでした。もしも自分一人でオンラインストアで購入していたら、ワンサイズ下を購入してしまってペンキが足りなくなるところでした。オンライン来店のメリットはこういうところにもありますね。
いよいよ輸入壁紙貼りへ
ペンキを乾かしている間に、輸入壁外貼りの準備をしていきます。雨模様の日はペンキが乾きにくいので、扇風機やドライヤーを使うと良いでしょう。
今回購入した輸入壁紙はゴッホが描いた絵画をモチーフにしたシリーズ「 VAN GOGH MUSEUM 」の黄色い輸入壁紙です。巾が53cm、模様の繰り返しの単位であるリピートは64cmです。夏水さんに必要な輸入壁紙の量を計算していただき、1ロール(10m)買いました。必要な長さに切っていくために、本棚の大きさとリピートを合わせて計算していきます。
3リピート分の長さの輸入壁紙が5本必要だとわかりましたので、その長さに切って並べていきます。上下があるので必ず同じ向きに揃えて並べてください。
実際に1本ずつ切って並べていったところ、縦の柄のリピートは64cmでしたが、横の柄の繋がり(ステップといいます)は1/2リピートの32cmだったので、かなり節約できました。余った輸入壁紙は今後別のDIYに使いたいと思います。
今回使う壁紙用の糊は、液体状になっていてそのまま使える強力タイプのもの。粉末タイプだと水に混ぜるときの濃度の調整が難しいのですが、これなら簡単ですね。
壁紙の大きさに合わせてマスカーをフローリングに貼り付けて広げ、床を養生します。上下がわからなくならないように輸入壁紙を広げ、刷毛で糊を塗っていきます。
糊が塗れたら、糊のついている面を重ね合わせ5分ほどオープンタイムを取り、壁紙に糊を馴染ませます。
今回の本棚は左が奥で隠れるので、右側から貼っていきます。木枠があるのでなかなか難しく、貼りやすいように木枠の真ん中で横に切断しながら貼り進めました。木枠部分も考慮して柄合わせしていかないと、離れて見たときに枝が繋がって見えなくなってしまうので注意が必要です。これも、オンライン来店時に夏水さんに教えていただいたことです。
輸入壁紙を貼るときの注意点
輸入壁紙を貼るときに起こりがちな失敗として、突き付けて貼った部分が乾燥して縮み、隙間が空いてしまうということがあります。輸入壁紙の裏面の素材は、大きく分けてフリースと紙の2種類があるのですが、輸入壁紙初心者は必ず、裏がフリース素材のものを買って下さい。紙製のものはかなり伸び縮みするので難易度が高いのです。
今回購入したような裏がフリース素材の輸入壁紙は、糊を塗っても紙製の物より伸び縮みしにくいため、本来は輸入壁紙に糊を塗って馴染ませなくても貼ることが可能と言われています。今回も本棚側に糊を塗って貼るほうが作業は楽だったのですが、せっかく奮発して買った輸入壁紙に隙間が空いてしまうという悲劇を完璧に防ぐため、輸入壁紙の方に糊を塗ってしっかりオープンタイムを取り、馴染ませてから貼りました。
また、貼り方にもコツがあり、壁紙を引っ張りすぎず余裕をもたせて貼ると、後から隙間が空きにくいです。撫で刷毛で空気を抜いてしっかり密着させるときに、どうしても横に引っ張りがちになるので注意してください。
さらに奥の手ですが、輸入壁紙の端と端をぴったり突きつけるのではなく、少し重なるようにするのも良いと思います。近くで見ると継ぎ目が盛上っているのでちょっと目立ちますが、離れれば気になりません。隙間が空くよりずっと良いと思うので、輸入壁紙を貼るときにぜひお試しくださいね。
詳しい輸入壁紙貼りの方法は、過去の記事を是非ご覧ください。
初心者は、まずは小物類から始めるか、エアコンなどの障害物のない壁に貼ってみるのが良いと思います。
さあ、結構時間がかかりましたが、完成した写真をお披露目します!!
寝室がぐっと明るくなり、大満足です。元々が絵画のモチーフを使った輸入壁紙なので、お部屋に大きな絵を飾ったような感じになりました。
見た目が微妙だった本棚の裏側を、DIYによって表側より素敵に変身させることができました。これならリビング側に向いていても遜色ないですね。やってみて良かったです。
今回オンライン来店を利用してみて良かったことは、作業する現場をプロに見てもらいながら相談できたこと、購入すべき数量や、施工方法について、その場でアドバイスがもらえたことです。
もちろんデザインに関しても、プロの的確なアドバイスをもらったからこそ、一人であれこれ悩むよりもずっと素敵に仕上がったのは間違いありません。
色を決める際に夏水さんから周辺のインテリアの色を聞かれ、ノートパソコンのカメラを回して寝室全体を見てもらえたことで、この素敵な壁紙に出会うことができました。
今となっては最初からこの選択しかなかったと思えるくらいに寝室の雰囲気にしっくり来ていて、これぞ運命の壁紙!という感じです。
買うものがだいたい決まっていて、施工方法も分かる人はオンラインストア、迷っていてプロのアドバイスが欲しい人はオンライン来店と、ぜひ使い分けてみて下さい。もちろん、吉祥寺に行ける人は実店舗へ! 相談する場所の写真や動画を忘れずに持っていってくださいね。
実はこのオンライン来店は、コロナ禍にスタートしたDecor Interior Tokyoの新サービスです。来店型の店舗の経営は厳しかったと思いますが、逆境にもめげずに知恵を絞って、今後も使える新しい武器を手に入れたDecor Interior Tokyoの皆さんはすごいですね。私も勇気をいただきました。
文:伊部尚子