《 小商い賃貸推進プロジェクト 》Vol.013

”武蔵の小京都”・小川町にある築150年超の古民家(=登録有形文化財「田中家長屋」)を大衆食堂兼住居にセルフリノベーション

投稿日:2025年2月6日 更新日:

「ワクワク賃貸」のWebデザイナーが“武蔵の小京都”・小川町に移住

みのもけいこさん(写真右)とご主人の佐藤朋史さん 筆者撮影

今回の「小商い賃貸推進プロジェクト」は「ワクワク賃貸」の編集長を務めている久保田が担当させていただきます。というのは、「ワクワク賃貸」の“身内”であるWebデザイナー・みのもけいこさんの移住話だからです。
みのもさんは、一昨年(2023年)夏、ご主人と一緒に埼玉県比企郡小川町に移住しました。
みのもさんとは2015年に私が企画した「ワク賃005」に入居してくれた縁で知り合い、すぐに意気投合。仕事がグラフィックデザイナーだと知って、「だったらWebデザインもできるのでは?」と無茶ブリし、以来今日までずっと「ワクワク賃貸」を一緒につくってもらっています。
みのもさんはご主人と一緒に約8カ月かけて「ワク賃005」をアートギャラリー兼住居にセルフリノベーションされたあと、約8年間ご入居くださり、ご夫婦そろって入居者インタビューに登場いただいたりもしました。
そのみのもさんが「ワク賃005」を去って行くと聞き、軽くショックを受けたのですが、その引っ越し先が築150年超の古民家だと伺っていきなり興奮。その古民家を1~2年かけてセルフリノベーションをし、ご夫婦で大衆食堂を営みながら暮らすと聞き再び興奮。
俄然興味が湧きましたが、築150年超の古民家はともかく、「何ゆえ小川町?」と思い訊ねると、「小川町はとにかく素敵なんです!」と目をキラキラさせながら、豊かな自然に恵まれていること、かつて和紙や絹、建具、酒造などの伝統産業で栄えていた町で、その町並みは今も往時の面影をとどめ、「武蔵の小京都」とも呼ばれていることなど、小川町の魅力を語ってくれました。
さらに話を聞き進めると、引っ越し先は「田中家長屋」と言って登録有形文化財に登録されている家だと言うので三たび興奮。
完成した暁には「ワクワク賃貸」で紹介することを承諾してもらい、それから待つこと1年4ヵ月。ようやく昨年(2024年)暮れにオープンすることが決まったとの一報を受け、新年(2025年)早々に新店舗「トラキチ(寅吉)」を訪ねてきました。

登録有形文化財をリノベした大衆食堂「トラキチ」

「田中家長屋」外観。左端が「トラキチ」 撮影:みのもけいこ

登録有形文化財に指定されている「田中家長屋」にオープンした「トラキチ」は東武東上線「小川町」駅から古い町並みをまっすぐ歩いて7分の場所にあります。
遠くから見てもすぐに「ああ、これが田中家長屋だろうな」とわかる趣のある佇まいで、5棟連なる古い長屋の左端に「トラキチ」はありました。

「トラキチ」外観 撮影:みのもけいこ

「トラキチ」だけ外観が新しい理由は、事前にみのもさんから聞いていて、前の入居者さんは八百屋を営んでおり、そのときはガラスサッシの扉がついた、いかにも八百屋さんという外観だったそうです。しかし全体の調和を重視したオーナーさんが、みのもさん夫婦の入居を機に自費で他の長屋に合わせた外観にリフォームしてくださったとのこと。
何とも奇特なオーナーさんですが、そのオーナーさんは小川町の町議会議員をしていらして、小川町の古い家々を残し活用する非営利活動にも力を入れておられると聞いて納得。みのもさんは素晴らしい方と出会ったのだと知り嬉しくなりました。
「トラキチ」の外観は、今は新しさが目立ちますが、時間が経つうちに、全体になじんでいくことでしょう。

「トラキチ」店内 撮影:みのもけいこ

「トラキチ」に到着したのは2025年1月4日の13:00過ぎで、「年内にオープンしようと急ピッチでDIYに専念していたので、宣伝が間に合わなかったから、きっと空いてますよ」という、訪問前のみのもさんの言葉とは裏腹に店内は満席状態。
ご近所の方々や、みのもさん夫婦の友人知人がこぞってランチを食べに来てくれていました。

「トラキチ」の吹き抜け天井 撮影:みのもけいこ

店に入って最初に気がついたのは天井が高いこと。
セルフリノベーションだと言うのに、みのもさん夫婦は2階の床を抜いて、吹き抜けにしてしまっていたのです。

「トラキチ」吹き抜けにする前の天井 撮影:みのもけいこ

そもそも私は登録有形文化財をリノベーションしてもいいということすら知らなかったぐらいなので(※外観をいじらなければ大丈夫だそうです)、その大胆さにビックリ。いきなり度肝を抜かれてしまいました。

「トラキチ」の階段棚 表側(写真左)と裏側(写真右) 撮影:みのもけいこ

正面には階段状の棚があり、表側には酒瓶が、裏側には急須がズラリと並んでいます。この棚、ひょっとしたら?と思って聞いてみるとやっぱり。何と、2階に上がる階段を残し、棚として再利用していたのです。やるなあ!

「トラキチ」の竈 撮影:みのもけいこ

次に目がいったのがこの竈(かまど)。
みのもさん夫妻は、お店をつくる過程をYouTube動画(チャンネル名:てがみや)で紹介していて、この竈スペースをつくる様子も載せていたから竈の存在は知っていたのですが、想像以上に良い出来栄え。築150年の古民家の中に、さも昔からそこにあったみたいなふてぶてしさで鎮座していました。
竈本体は補助金を利用して石川県にあるイソライト建材株式会の「薪焚用かまど」を購入。石川県能登半島で採れる天然珪藻土を使用してつくる、環境に優しい国産竈だそうです。

「トラキチ」の掘りごたつ席 撮影:みのもけいこ

みのもさんは、店内の奥にある掘りごたつ席をキープしてくれていたのですが、お客さんが次から次とやってくるので、待たせてはならじと相席してもらいました。そもそも取材相手のみのもさん自身がホール係で、ご主人がつくった料理を運ぶのに大忙しだから、取材どころじゃありません。
私も麻婆丼(500円)とポテトフライ小(200円)、マカロニサラダ(220円)を注文し、相席された方たちとおしゃべりしながら、みのもさんの手があくのを待っていたら、そこへオーナーさん(田中照子さん)がいらっしゃったので、掘りごたつ席に同席いただきました。その少し前から私の向かいに座っていた方が小川町役場の都市政策課に勤務しいる方だとわかり、田中オーナーともども、小川町の古民家活用のお話をたくさん伺うことができました。

床をめくって出てきた掘りごたつの枠 撮影:みのもけいこ

ところでこの掘りごたつ、当初は作る計画はなかったのだけれど、床を直す時に畳や野地板をめくったら掘りごたつのような枠が出てきたので、そこを活かして作ったそうです。リノベーション作業をしているうちに思いついたことをやったというわけですね。

厨房で忙しく立ち働くみのもさん夫妻 筆者撮影

厨房は掘りごたつ席の背面にあるので、ちょいちょい、みのもさん夫妻の様子を覗き見。
いくつかのメニューは完売し、ご飯がなくなってしまったにもかかわらず、新しく来られたお客様は、「お酒を飲むからつまみ程度でいいですよ」と言われ、夫妻はいつまで待っても手があきません(笑)。

「トラキチ」と同じ空間にあるデザイン事務所「てがみや」 撮影:みのもけいこ

田中オーナーたちも食事を終えて引き取られ、しばらく待っていたらようやく一段落つき、みのもさんに話を伺うことができました。
真っ先に質問したのが、お店に入ってすぐ右側にあるスペース(上の写真)。客席ではないし、レジでもないし何だろう?と思っていたら、ここがデザイン事務所(てがみや)だとのこと。 夫婦それぞれが長年やってきた仕事を別々に考えるのではなく、融合させることで仕事の幅を広げたいと考えているそうで、「てがみや(=デザインの仕事場)」と「トラキチ(=飲食の仕事場)」を同じ空間に作れたらいいなという夢をようやく実現させることができたとのこと。
みのもさんの本業はグラフィックデザイナーなので、お客様がいらっしゃらないときはここで仕事をする予定だと言うのですが、こうもお客様が連なると「ワクワク賃貸」の仕事を続けてもらえなくなるのでは?と心配になりました。でも「『トラキチ』は月・火・水曜日を休みにしているので大丈夫です」ということなので「ワクワク賃貸」は継続できそうです。

「トラキチ」左側の客席 撮影:みのもけいこ

みのもさんのワークスペースの向かいにも小上がりになっている客席がありますが、こちらは補助金でKinomichi工房に小上がりと板張りの壁をつくっていただいたそうです。
もともとはこのスペースにデザイン事務所、中央部分に小上がりを作る予定だったのだけれど、作業を進めていく中で判明した水道や床の状態、客席と竈との位置関係などを考慮し、小上がりにすることにしたとのこと。小上がりで使用しているちゃぶ台や和箪笥は改装前の2階にあったものを再利用しました。

リノベーションされる前の様子 撮影:みのもけいこ

上の写真はリノベーションされる前の店舗スペース。
できあがった内装が築150年超の建物に馴染んでいるので、もとからこうだったのかと思ったのですが、まるで違いますね。

「トラキチ」の囲炉裏席 撮影:みのもけいこ

店内奥の右側には囲炉裏席があります。
赤く燃える炭火を眺めながら、食事やお酒を楽しめるなんて、本当に贅沢。この囲炉裏席も補助金で福島の共榮木巧株式会社に作っていただいたそうです。

「トラキチ」の“洋式”トイレ 撮影:みのもけいこ

囲炉裏席の背面にある扉を開けると外廊下があり、突き当りにトイレがあります。
このトイレ、一見普通のトイレに見えますが、元は和式便所でした。タイルの分け目の部分から上が一段高くなっていて、ポッチャン便所があったそうです。

「トラキチ」の手洗い 撮影:みのもけいこ

トイレを出たところにある手洗いも自作したもの。建物にとても馴染んでいますが、手作りだと聞くと味わい深いです。

土壁を壊したら、新しい部屋が出てきた!?

店舗2階の残置物 撮影:みのもけいこ

残置物の整理途中 撮影:みのもけいこ

リノベーションされる前の様子 撮影:みのもけいこ

皆様には先に「トラキチ」の完成形をご覧いただきましたが、みのもさん夫婦が初めて内見に訪れたときは、前の入居者さんの家具や荷物がたくさん残されていて、畳も土足のまま上がるような“ボロボロ”の状態。ほこりがすごく、ずっと居続けることが厳しかったのだそうです。
借りると決めたものの、いきなりここで暮らし始めるのは到底無理なありさまだったので、みのもさん夫婦は近くに小さな家を借り、田中家長屋に通ってセルフリノベをスタートしました。
最初に取り組まなければならなかったのは、残された布団や荷物、日用品に壊れた家具、雑誌などを分別して捨てること。
田中オーナーが外観リノベをしてくださっている間はフリーレントとしてくれ、その間にせっせと処分していったそうですが、これだけに数ヵ月かかかりました。
荷物がなくなり、全体の様子がわかったあとは、セルフリノベをするため廃材を処分するなど環境を整備したのですが、壁などには無数の釘が残されていて、朝から晩まで延々と釘を抜き続けてもいっこうにゴールが見えず、途方に暮れた日もあったとか。

右側の土壁を壊したら部屋が出てきた! 撮影:みのもけいこ

びっくりしたのは、不要な土壁を壊したら、新しい小部屋が見つかったこと! 
そこにもボロボロの布や紙屑、家具や空箱などがあって、またゴミ処分の日々が始まったそうで、話を聞いているだけで私の心が折れそうになりました。

実際のリノベ工事が始まったあとは、どの工事も大変だったけれど、最も苦労したのは床の立ち上げとコンクリートのはつり作業だったそうです。
はつり作業は何箇所かあり、タガネとハンマーでコンクリートを砕いたり、ハンマードリルを使って破砕したりなど、作業自体は難しくないのですが、夏の暑い日は体力も気力も消耗しヘトヘトになったとか。 デザイン事務所部分は土間の上に床をつくったのだけれど、土間をどれだけ均してもボコボコしていて床が安定せず、長い時間を要しました。
床板は憧れのヘリンボーンに挑戦したため、こちらもかなりの時間を要しましたが、「とても素敵に仕上がったので、是非見てほしい!」場所のひとつとなったそうです。上の動画は、はつり作業やヘリンボーンの床の作業を撮影したもので、みのもさん夫婦の苦労の一端をご覧いただければと思います。

電気工事の様子 撮影:みのもけいこ

下水工事の様子 撮影:みのもけいこ

ガス工事の様子 撮影:みのもけいこ

みのもさん夫妻は空き店舗補助金や小規模事業者持続化補助金など、いくつかの補助金をもらえることが内定していましたが、そのうちのひとつは2024年10月までにお店をオープンすることが条件とされていて、それを目安にセルフリノベを進めていきました。
ところが、電気工事や下水工事は専門家に委ねる必要があり、早くから依頼していたにもかかわらず、なかなか工程が決まらず(「手があいたらすぐに行く」と言ってくださっていたのだけれど、なかなか手があかなかった)、補助金窓口に延期を依頼し続けました。
さすがに「年内にはオープンしていただかないとまずいかも・・・」と言われ、焦っていたら、何とか12月中旬に電気工事、下水工事が終わり、ラストスパートでようやく12月29日のオープンにこぎつけられたそうです。よかった、よかった。

断熱材を設置しているときの様子 撮影:みのもけいこ

梁みがきしているときの様子 撮影:みのもけいこ

セルフリノベの話の最後に、「今後、小川町で、古民家を改修して移住したい方々にアドバイスをください」とお願いしたら、3つのことを助言してくれました。
ひとつめは「断熱材は天井も壁も床もちゃんと設置したほうがいいです」ということ。
古い家は寒いし、暑い。断熱材を設置することを怠ったら、暮らしてからが大変になるので、ここは手を抜かず、しっかりやるべきと教えていただきました。
ふたつめは「上下水道が整備されていないエリアもあるので、よく調べてから借りてください」ということ。
上下水道が整備されているのは当然という感覚で臨むと、大きな後悔をすることになりかねないそうです。
みっつめは「ガチガチに固まった梁の砂や埃はグラインダーで落とせます」ということ。
乾拭きや水拭きで落とせない、ガチガチに固まった砂や埃はグラインダーでざっくり汚れを落としてから、水拭きを何度か繰り返し汚れを拭き取り、乾拭き後に黒い弁柄入りの油を塗って、最後に余分な油を拭き取ることで、テカテカしないしっとりとした艶が蘇るそうです。

小川町のご紹介 

最後に、小川町に移住してみたいと考えられた方のために、みのもさんに町の紹介をしてもらいました。
実際に移住した方の意見なので、是非参考にしていただければと思います(※以下のコメントはみのもさんに書いてもらったものです)。

❶ むすびめ

「むすびめ」の外観と店内とレンタサイクル 撮影:みのもけいこ

外(観光客、移住者)と、内(小川町)をつなぐ場所となる小川町観光案内所・移住サポートセンター「むすびめ」は「小川町」駅前にあります。
地域の物産品等が販売されているほか、無料待合所やレンタサイクルもあります。

❷小川宿鴻倫・割烹旅館二葉・NESTo

「小川宿鴻倫」(写真左上)・「割烹旅館二葉」(写真左下)・「NESTo」(写真右)それぞれの外観 撮影:みのもけいこ

写真左上は築100年の老舗旅館をリノベーションした、埼玉県小川町の宿「 小川宿鴻倫」。
中のつくりもとっても素敵です。本格的な韓国料理も味わえます。
写真左下は創業270年余の老舗旅館「割烹旅館二葉」。
国指定登録有形文化財の料亭で日本五大名飯「忠七めし」が食べられます。
写真右は築100年の石蔵を改装して生まれたコワーキングロビー「NESTo」。
カフェとしても利用できます。

❸小川ぐらしの茄子おやじ

「小川ぐらしの茄子おやじ」の外観と入口 撮影:みのもけいこ

「小川ぐらしの茄子おやじ」は、いつか機会をつくっていきたいと思っているお店です(写真を撮影した日は定休日だったため外のタープテントは下がってます)。
「トラキチ」がオープンするまで外食は控えていて、オープンしたら食べに行こうと思っていたら、なんと営業日が「トラキチ」と同じ木曜日〜日曜日であることがわかりました。なかなか行けそうになくて残念。。。

❹今屋紙店

「今屋紙店」の外観と店内 撮影:みのもけいこ

「今屋紙店」の前を初めて通った時に、なんて素敵なお店なんだろう!と思いました。
ゆらゆらとしたガラスの奥にある断裁機の存在感もすごいんです。現在もこちらの断裁機で紙を切っておられて、和紙や襖下張紙、和紙製品、家庭紙の販売(卸、小売)をしているそうです。

❺女郎うなぎ福助

「女郎うなぎ福助」の外観と店内 撮影:みのもけいこ

小川町で鰻といえば「女郎うなぎ福助」。
現在の店舗は明治時代に建てられたとのこと。実際の建物は写真よりもっともっと美しく、田山花袋など多くの著名人が訪れた名店だそうです。店内の一部を撮影させていただけましたが、随所にワクワクが詰まっている気がしました。お食事はもちろんのこと、建物の細部ひとつひとつが楽しめるお店ではないでしょうか。

❻有機野菜食堂 わらしべ

「有機野菜食堂 わらしべ」の外観と店内 撮影:みのもけいこ

人と文化の交流拠点「玉成舎」の中にある「有機野菜食堂わらしべ」。
明治中期に建てられた母屋と敷地内に隣接した石蔵はどちらも登録有形文化財で、”小川町のランドマーク”と言われています。
オーナー夫妻は「トラキチ」開店初日のお客様第一号で、暖簾を出した時にたまたま外を歩かれていたので、声をかけたら入店くださいました。先日「有機野菜食堂わらしべ」にお邪魔したときはアップルパイをいただきました。とっても美味しかったです。

❼ヤングボウル

「ヤングボウル」の外観と場内 撮影:みのもけいこ

黄色い大きなボーリングのピンが一際目を引く「ヤングボウル」。
「小川町」駅から「トラキチ」に向かう道すがら、長屋の上にピンがお月さまのように浮かんで見えるので、ずっと気になっていました。場内は想像していたよりも広く、ピンが倒れる音の響きが心地よかったです。年中無休で10:00-24:00まで営業しているというからびっくりです。

❽晴雲酒造株式会社

「晴雲酒造株式会社」の外観と店内 撮影:みのもけいこ

小川町には造り酒屋がいくつかあります。
そのうちのひとつ「晴雲酒造」のレンガの煙突は、地域の歴史や文化を映し出し、町の魅力を高めているように思います。
お酒の販売や試飲のほかに、昔使用していた酒造りの道具が展示されている見学蔵は自由に見られます(ガイド付きの見学は要予約)。「トラキチ」でも「晴雲酒造」の日本酒と焼酎をご用意しています。

❾松岡醸造株式会社

「松岡醸造株式会社」の外観と店内 撮影:みのもけいこ

小川町を歩いていると「帝松」と書かれた看板をいくつか目にします。この「帝松」という日本酒をつくっているのが「松岡醸造」です。
「小川町」駅からは少し歩きますが、街並みや自然を楽しみながら行くと時間をあまり感じません。見学は要予約。店内ではお酒やアイスクリーム、酒粕、食べ物などが販売されていて、お店の素敵な雰囲気の中で試飲も楽しめます。
「トラキチ」で今お出ししている粕汁は「松岡醸造」の酒粕を使用していますが、他の酒粕と比べて口当たりもなめらかで、とても上品な仕上がりになります(こちらの酒粕販売終了後は別のものを使用することになります)。「帝松」もご用意しています。

まとめ

「トラキチ」夜の外観 撮影:みのもけいこ

みのもさんの小川町紹介はいかがでしたでしょうか?
みのもさんは「ワクワク賃貸」の”身内”なので、お家賃をこっそり教えてもらったのですが、その金額を聞いて私はさらに驚きました。おそらく、皆様の想像を超えた安さです。
小川町の人気がさらに高まれば、お家賃も徐々に上がっていくのではないかと思いますので、移住をされるのなら早い者勝ちかもしれません(笑)。
移住はともかくとして、小川町そのものへ関心を持っていただけたら、是非ゆっくり散策してみてください。そして最後に「トラキチ」に寄ってもらえたら、”身内”としては嬉しい限りです。
「『ワクワク賃貸』を読みました」と言ってくださった方には、小川町への移住のこと、セルフリノベーションのこと、小商い暮らしのことなどをみのもさんが直接お話しくださるそうです(混雑時はご容赦を)。
「田中家長屋」のオーナー・田中照子さんは、空き家となっている古民家を活かすために積極的に活動なさっておられるので、新しい物件情報を得られる可能性もあります(「小商い賃貸」に空き待ち登録をしてくださっている方々にはメールでお知らせします)。
今回、小川町と「トラキチ」を訪ね、この地が小商い賃貸のメッカになる日が来るだろうことを私は確信しました。そのときが楽しみでなりません。

店舗情報

  • 店  名:トラキチ(寅吉)
  • 電話番号:0493-55-1460
  • 住  所:〒355-0321 埼玉県比企郡小川町小川177
  • アクセス:東武東上線・八高線「小川町」駅から徒歩7分
  • 営業時間:木曜日・金曜日・土曜日・日曜日の11:30-20:00
  • 定 休 日:月曜日・火曜日・水曜日
  • 平均予算:丼もの500円〜・定食650円〜
  • 席・設備:掘りごたつ席(4名)・囲炉裏席(4〜6名)・ちゃぶ台席(2名・3名)
  • 店舗情報は変更されている場合があります。最新情報は直接店舗にご確認ください。

文:久保田大介
写真:みのもけいこ(※一部・久保田大介)

  • この記事を書いた人

久保田 大介

『ワクワク賃貸®』編集長。有限会社PM工房社・代表取締役。 個性的なコンセプトを持った賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月より本ウェブマガジンの発行を開始。 夢はオーナーさん、入居者さん、管理会社のスタッフさんたちがしあわせな気持ちで関わっていけるコンセプト賃貸を日本中にたくさん誕生させていくこと。

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